新型コロナウイルスの影響によって入居希望者の動向も少しずつ変化しているように思います。今回は実際の仲介をやる中で感じた、この数ヶ月の変化についてまとめてみました。
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賃貸物件への問い合わせの減少
問い合わせ件数ですが、やはり前年度よりは下がっている印象です。とはいえ落ち込みとしては「前年比50%減」のような半減ではなく、1~2割程度の落ち込みです。1度目の緊急事態宣言が出された4~5月は2~3割減、それ以降の6~7月はほぼ前年と同じ・・というような傾向になっています。
コロナの影響で多くの人が外出自粛を余儀なくされたので、現状の自宅の見直しをする人が増加しています。たとえば仕事にテレワークを使い始めた入居者が、ネット環境のより良い部屋への引越しを検討したり、通勤する必要が少なくなったので少し都心から離れた安くて広い物件に引越しを検討するケースなどが当てはまります。
賃貸需要の変化
また、今まで反響が来なかった物件に問合せが増えたり、あまり人気の無かったエリアの物件に反響が入るようになったりと、コロナの影響によって住環境へのニーズに変化が起きている印象があります。
今までと異なるニーズへの変化が生まれているということは、これまで空室で困っていた物件が、需要のある物件に変わっていくことも十分に考えられます。このような需要の変化に対応するように、たとえば、ポータルサイトに記載している説明文に「テレワーク向けの物件です」などのようなコメントを追記したり、物件写真でテレワークスペースがあることを強調してみたりするなどの対策をするのも効果があるかもしれません。
オンラインを活用した不動産情報の紹介
問い合わせをするお客様にも「極力、来店を避けたい」という意識が生まれたので、遠隔操作によるライブ映像を利用した “オンライン接客”を導入する不動産会社も増加しているようです。
緊急事態宣言より前では、営業スタッフによる現地内見案内がないことに対して馴染めない・・という反応があったようですが、この数ケ月で遠隔での紹介に対する抵抗感は薄れている印象があります。
このことから、従来のカウンターでの接客と異なり、いかに「オンラインでもわかりやすい情報提供」をするか、「写真枚数を豊富にストックしておいて室内のイメージを掴みやすくする」など、オンライン接客に最適な物件情報提供手段をどのように確立するかが、今後の入居付けのポイントになってきそうです。
たとえば、今までの紹介図面はほとんどが紙面一枚に情報を押し込んでいる傾向がありましたが、インターネット上では一枚の紙面図面よりも格段に情報量を提供することができます。具体的には、写真を十分な数だけ掲載して動画も活用したり、お客様が知りたい「条件面等」のページを充実させたり、間取図で家具の設置や生活がイメージできるようにする、などの対応です。
以上のようにコロナの影響によってお客様のニーズの変化だけでなく、不動産の紹介方法も少しずつ変化しています。それによって、今まで伝え切れていなかった物件の強みを上手くアピールできる機会も増えていくかと思われます。