不動産

【副業】働き方が多様化した時代の入居審査【フリーランス】

3月に入り、不動産賃貸のオンシーズンも本格化してきました。

ただ新型コロナの影響か、都心の狭小系アパートから広さを求めて郊外の広めの住居に移る人や、リモートワークに適した物件に転居する人、収入が減ったのでグレードを落とした賃料の低いお部屋に移動する人たちなどが増えているようです。

賃貸契約に入る前に、入居者を受入れる側の大家と不動産会社には「入居審査」 という重要な意思決定業務があります。

入居審査でチェックするのは、借主の勤め先や勤続年数や年収などです。現在では多くの不動産会社が入居審査を保証会社に任せているケースが多くなっています。

その保証会社の審査は勤務先や勤続年数といった要素に加えて、中には業界のデータベース(過去の家賃支払い履歴等)を閲覧する会社もあります。過去に滞納歴等があるとブラックリスト化されていて審査に落ちる・・といったものです。

フリーランスの入居希望者の増加

入居審査では勤務先が特に重要な要素となりますが、最近では20~30代の働き方が変化してきています。今までは一つの企業に長く勤めることが推奨されて、転職を繰り返すことは「良し」とされていませんでしたが、最近は「フリーランス」という働き方をする人が増えてきました。

通信の高速化やリモートワーク化など、よりインターネット社会が浸透することで、ライターやデザイナーやプログラマーという個人の能力を生かせる仕事が増えたことと、最近では大企業でも副業を許可する流れがあることもあって、フリーランスが増えてきたのかもしれません。

内閣府は昨年7月の時点でフリーランス人口を341万人と推計しています。これは専業フリーランスの数で、副業でフリーランスとして働いている人を加えると1,119万人(日本の労働人口の17%)にもなるようです (ランサーズ株式会社調べ、2018年度)。

単純計算ですが、入居希望者の約5人に1人が何かしらフリーランスの働き方に関わっている・・ということになるようです。

今後も日本の社会は多様な働き方が増えていくと思われます。新型コロナの影響でテレワークが当たり前になり、自宅や共有オフィスなどで仕事をするのが一般的になっていくと予想されますが、その際に引っ越すときにネックとなるのは「入居審査」です。

フリーランスの入居審査

フリーランスの収入には業界や働き方などによって差があるので、その実態を把握することが入居審査のキーポイントになります。フリーランスに近いカテゴリーとして「個人事業主」がありますが、この個人事業主の入居審査は賃貸の現場で昔から行われていました。

会社勤務でも個人事業主でも、正しく収入を申告すれば税金を納めているはずなので、それが証明になります。さらにブログやネット記事、YouTubeなどの情報発信によって収入を得ているのであれば、その成果物として記事や写真やデザインをインターネット上で確認することもできるかと思います。

審査判断が難しいのは「始めたばかりで実績の乏しい人」「収入を正しく申告していない人」などですが、これは本人面接や実際の成果物や、連帯保証人(保証会社)で総合的に判断することになります。

現実問題として「問題を起こさないような良い人に住んでもらいたい」と考える大家さんとしては、それなりに年収があるにもかかわらず勤務先がないことによって入居審査で落としてしまう・・というのはもったいない気もします。

フリーランス時代の入居審査の変化

ただ最近の保証会社の中にも、フリーランス向けに独自の基準で審査することで、これまで約子定規に判断していた審査を見直す会社も出てきています。

たとえば保証会社を使わない大家の場合、彼らが収入や納税証明を提出できない事情のとき、本人の人柄や前述の成果物などから、どのように支払い意思と能力を見極めるかが重要になってきます。

少しでも怪しい要素があれば入居を拒否する・・というのも一つの選択ですが、一方で空室を長引かせるのも好ましくありません。その方針を不動産会社と協議しておくことも必要になってきています。

このような時代変容をしっかりと注視していくことは、不動産運用にとって大事なことの一つとなりそうです。

ABOUT ME
matsud0
1988年11月生まれ。保険会社システムエンジニア→収益不動産会社の営業。奥渋谷、六本木をメインに活動中。収益不動産情報をメルマガで配信中しています。