今回は2021年の春時点での投資用不動産に関して、現在、融資に積極的な金融機関をまとめてみます。
金融機関としては事業性のある不動産に対しては融資したいという気持ちはある様で、基本的には区分マンションよりも一棟アパート・マンションに対して融資を取り扱ってくれる金融機関の方が多い傾向にあります。
新築の区分マンションであれば、各不動産会社の提携している金融機関等があったりしますが、区分マンションも中古になってくると融資打診できる金融機関が限られてくる傾向にあります。
まず区分マンションであれば、以下のような金融機関が検討対象となります。
- オリックス銀行
- 三井住友トラストL&F
- セゾンファンデックス
- 香川銀行
- SBJ銀行
- 日本政策金融公庫
一棟アパート・マンションであれば、以下の金融機関が候補として挙げられます。
- オリックス銀行
- 三井住友トラストL&F
- セゾンファンデックス
- 横浜銀行
- 千葉銀行
- りそな銀行
- スルガ銀行
- SBJ銀行
- 香川銀行
木造の1棟アパートでは、横浜・千葉銀行などの大手地方銀行や、りそな銀行などが比較的融資に積極的に取り組んでくれる傾向にあります。一棟の方が区分と比較すると、融資を出してくれる金融機関が多い印象です。
目次
オリックス銀行(区分)
まずはオリックス銀行についての融資規定です。
- 金利:属性を問わず一律で2.575%
- 融資期間:55年-築年数
- 保証人:不要
- 自己資金:フルローン可
- ローン事務手数料:融資額の2.2%(税込) → 一棟に比べると事務手数料は高め
- 専有面積は、壁芯で18㎡以上必要
- 洗濯機置場が必要
- 総戸数は30戸以上必要
- 新耐震(1981年6月以降に建築確認が下りている物件)以降の物件が対象
- エレベーター無し4階以上はNG
- 融資額は500万円以上が目安
- 年収500万円以上かつ勤続3年以上
- 融資上限は年収の5~6倍まで(他の債務を含む)
年収の5~6倍までの融資上限であったり、その他の条件はありますが、フルローンが出るなど自己資金が抑えられるため、小ぶりな投資用区分マンション狙いの方であれば2,3戸をオリックス銀行で買っていくというケースもあります。
オリックス銀行(一棟)
オリックス銀行は一棟アパート・マンションに対しても積極的に融資に取り組んでくれる金融機関です。特徴を以下、まとめてみました。
- 金利:2.3%前後
- 融資期間:55年-経過年数(新築の場合は最長で35年間融資)
- 自己資金:フルローン可
- 事務手数料:1.1%(税込)
金利は、属性によって2.4%程度までいく事がありますが、基本的には2.3%か、それよりも安い金利で落ち着くケースが多いです。融資期間については、返済までの年齢上限もありますが、新築では最長35年の融資を組むことも可能です。
自己資金については、販売金額の100%までのフルローンも可能で、諸費用だけ用意すればOKという事もあります。
事務手数料に関しては、区分マンションだと融資額の2.2%であるところが、一棟になると1.1%ということで事務手数料が割安となります。
一方で、既存の借入れ額を割と厳しく見る印象です。既存の借入額が1億円を超えてくると、更なる融資へのハードルが多少高くなってくるというような傾向があります。
また、不動産の販売金額が1億円未満の融資の場合、支店内部決済が出来るため、比較的融資のが下りやすいです。逆に1億円を超えてくると本店審査にまわるため、融資難度は高くなる傾向にあります。
三井住友トラストL&F(区分)
こちらも投資用不動産に関しては比較的、積極的に融資してくれる金融機関になります。
- 金利:4.3%(団体信用生命保険あり)、団信無しだと3.9%
- 融資期間:75年-経過年数(基本的には新築35年 / 中古30年)
- 自己資金:売買金額の10%+諸費用
- 事務手数料:借入金額の1.65%(税込)※最低11万円(税込)
- 保証人:原則必要
- 法人の場合、RC造:60年-築年、S造:50年-築年、木造:45年-築年
- 旧耐震物件、建ぺい率超過、容積率超過、借地案件も融資可能
- 既に抵当権のついている案件でも空き担保があれば、それを担保にしてフルローンも可能
その他の要件
- 共同担保が必要(担保提供できない場合には自己資金が約4割必要)
- 団信未加入時は「75年-経過年数」に関係なく最長融資が可能
三井住友トラストL&Fは、旧耐震物件などの他行では取り扱い不可能な物件であっても融資してくれるというのが最大の特徴です。
東京都港区・中央区など、東京の中心部になるほど旧耐震物件が増えてくる傾向にあるため、都心部の物件を融資を受けて物件を買いたい人は三井住友トラストL&Fを利用する場合が多い印象です。
もう一つの特徴としては、基本的に融資を受ける際に、共同担保を重視してくる金融機関です。既存で保有している物件を担保に入れて、8~9割程度の融資をしてくれるイメージです。
残債が減った部分を担保余力としてみてもらえれば、共同担保として利用できる可能性があります。ただ、担保余力としてみてもらえない場合には、自己資金を約4割ほど求められるケースもあるので、その辺りを理解した上で取り組む必要があるかと思います。
三井住友トラストL&F(一棟)
三井住友トラストL&Fは一棟にも力を入れて融資をしており、基本的には区分と条件は変わらずです。以下条件をまとめてみました。
- 金利:4.3%(団体信用生命保険あり)、団信無しだと3.9%
- 融資期間:75年-経過年数(基本的には新築35年 / 中古30年)
- 自己資金:売買金額の10~30%+諸費用
- 事務手数料:借入金額の1.65%(税込)※最低11万円(税込)
- 保証人:原則必要
- 法人の場合、RC造:60年-築年、S造:50年-築年、木造:45年-築年
- 旧耐震物件、建ぺい率超過、容積率超過、借地案件も融資可能
- 既に抵当権のついている案件でも空き担保があれば、それを担保にしてフルローンも可能
- 共同担保が必要(担保提供できない場合には自己資金が3~4割程度必要)
- 融資額が5,000万円以上で借入金利が2.9%(複数物件での合計借入額が5,000万円以上でも可)
基本金利は団信ありで4.3%、団信なしでも3.9%と比較的高めな金利設定となっていますが、融資額が5,000万円以上になると金利が2.9%に優遇されます。
これは融資額の合計が5,000万円以上であればOKですので、例えば一棟目での借り入れが3,000万円、2棟目で3,000万円のような買い方でも金利は1%優遇され、2.9%となります。
こちらも最大の特徴である既存不適格物件であっても融資を出してくれるので、多くの投資家が利用している金融機関になります。
融資に際しては、事務手数料が借入額の1.65%(税込)かかります。
セゾンファンデックス(一棟・区分)
こちらも現在、融資に積極的な金融機関です。
- 金利:3.60%~
- 団体信用生命保険無し
- 融資期間:RC造65年-経過年数(旧耐震物件可能)
- 新設したばかりの資産管理法人も可能
- 物件金額70~80%融資(共同担保があればフルローン可能性あり)
- 提携銀行を紹介いただける
セゾンファンデックスは、案件ごとに融資内容が変動する「プロパー融資」にて融資取り組みが出来ます。また、自己資金を3割投入する事さえ出来れば、既存借入が結構な額があったとしても、プロパーでの融資を受けられる可能性のある金融機関です。
既にいくつか借入れがある状態だけれど、更に投資用不動産を買いたい・・でも、オリックス銀行等ではもう融資してくれない・・でも自己資金がある・・・そういう方であれば、セゾンファンデックスは良い検討先になるかもしれません。
区分マンション・一棟アパート&マンションのいずれも融資してくれる可能性があります。旧耐震基準の区分マンションの持ち込みも受け付けてくれたりもして、汎用性の高い金融機関なので、要チェックです。
最後に
2021年現在、投資用不動産へ比較的積極的に融資をしている金融機関について、まとめてみました。
この他にも出てきたら、随時追記していく予定ですので、定期的にチェックしてみてもらえると嬉しいです。また、「ここの金融機関どうなの?」のような質問もあれば、ご連絡ください!
余談ですが、楽待の新サービス「楽待相談室」で、公式アカウントとして活動もしているので、よろしければこちらでも不動産に関するご質問をしてもらえればと思います。