2020年8月現在、収益不動産に融資をしてくれる金融機関の融資条件がシブくなってきています。
目次
築古不動産に融資してくれていた金融機関の動向
投資用不動産に対して比較的積極的なことで有名な金融機関たちの最近の状況です。良かったら参考にしてみてください。
静岡銀行:担保評価を厳しめに見る傾向あり
積算評価重視なことで知られる静岡銀行。担保評価さえ出ていればコロナ禍であっても未だにフルローンを出してくれます。
2020年8月現在でも比較的、融資には積極的な印象があります。
ただ最近変わった(もしかしたら前から?)のか、既に不動産を持っている方の場合、既に保有している不動産の担保評価も総合的に判断し、新たに融資を受けたい不動産の総合的な評価が基準に満たしていないと、融資否決を喰らいます。
ちょうど先月、自分がそういう経験をしました。くやしいです・・。
また余談ですが静岡銀行は、案件が飽和状態にあるのか、取引する不動産会社を選別する方向に動いているようです。
不動産会社経由で融資の打診をする際には、
- 直近3か年分の決算書類
- 代表の職務経歴書
を提出した上で、審査を受ける必要があるようです。
三井住友トラストL&F:自己資金を多めに要求する傾向あり
- 築古(旧耐震)
- 再建築不可
- 借地権
- 建ぺい率・容積オーバー
などなど、「既存不適格なんでもこい」なスタンスで有名な金融機関、三井住友トラストL&Fですが、こちらもコロナ禍ではすこしシブい印象です。
具体的にどうシブいかと言えば、必要な自己資金の量が増えました。
都内某所の旧耐震&再建築不可の物件があったのですが、2020年2月時点では必要な自己資金1.5~2割程度でしたが、同年7月時点では3割必須と言われてしまいました。
さらにコロナの影響により、三井住友トラストL&Fは在宅ワークを進めているそうで、通常は1週間で5営業日出勤しているところを、今はかなり控えめな出勤状態となっているようです。
不動産の詳細情報や顧客の属性資料などの機密情報を自宅に持ち帰って作業ができるわけもないので、おのずと審査スピードが落ちます。
こういった背景もあり、融資打診をしてから実際に融資が下りるまでの時間が長引いてしまっています。
スピードが求められる案件にはちょっと厳しいなという印象です。
在宅ワーク化が融資を締める原因となっている可能性
新型コロナによる融資担当者の在宅ワーク化で審査スピードが落ちているという話ですが、おそらくこの在宅ワーク化により、融資条件もシブくなっているのではないかと思われます。
シンプルに世の中が不況に向かっているから安全措置として・・・という理由もあるのですが、出勤日数が減るという事は、処理できる案件数が減るということです。
出勤してさばける案件の数は少なくとも、金融機関としても毎月の融資額のノルマみたいなものはきっとあるでしょうし、融資できる可能性の低い案件は極力避けたいと思います。
そうなると自己資金の出せない人や、担保割れリスクが起こりそうな要因を含む不動産などには、ある程度の評価に欠け目を入れて保全を取るという意味で、条件をシブくしているんじゃないかという気がします。
コロナが流行る → 融資担当の方が在宅ワークする → 毎月のノルマがある → 融資確度の低い案件は極力受けたくない → 融資条件をシブくする
条件がシブくても審査続行できるような人であれば、属性が良い可能性も高いので、最終的に融資を実行できる可能性が高まる・・という理由です。
単なる邪推かもしれませんが、信じるか信じないかはあなた次第です。。
自身で新規融資を開拓すると発見があるかも?
融資がシブい理由がわかっても、融資が組めないのでは仕方がないですよね。
そんなわけで、今やった方が良いのかなと思う事は、新規の金融機関を自分で開拓していくことなのかなと思います。
スルガショックの時もそうだったのですが、業界全体として融資がシブくなっているときは、皆がかけこむ金融機関ほどシブいという傾向がありました。
逆に「そんな金融機関あるの?」というような金融機関が、意外に好条件で融資をしてくれたような事例を、多くはありませんが聞くことがあります。
あまり積極的でない・・と言うか、聞きなじみがない金融機関ほど、入ってくる投資用不動産案件が少ないので、世の中の状況に流れずに融資してくれるのかもしれません。
もちろん、普段から話題に上がっていないという事は、それだけ融資内容があまり良くない可能性が高いですが、市況が融資にシブくなってくると、一定条件で今まで融資していた無名の金融機関の方が好条件で融資してくれるという可能性があるという事なのかもしれませんよね。
言い方がアレですが、「数打てば当たる」理論で、探していると思わぬ良い発見があるかもしれません。どうせ買えないんだし・・の様に腐ることなく動いていれば、不況を覆す思わぬ結果があるかもしれません。