11/20夜、突然こんなニュースが飛び込んできました。
【日経特報】不正なシェアハウス融資をめぐり、返済に行き詰まるオーナーとの係争を抱えるスルガ銀行。所有者が土地と建物を手放せば債務を解消する調整に入りました。https://t.co/TtSS6Ek4PW
— 日本経済新聞 電子版 (@nikkei) November 20, 2019
スルガ銀行がシェアハウス(通称「かぼちゃの馬車」)向けの債権を第三者に売却するための入札手続きを始めたようです。シェアハウスオーナーが土地と建物を物納することで、借金の返済をチャラにするとのことです。
これはリアル徳政令でしょうか。恩赦なのでしょうか・・。
【徳政令(とくせいれい)】日本の中世、鎌倉時代から室町時代にかけて、朝廷・幕府などが土倉などの債権者・金融業者に対して、債権放棄(債務免除)を命じた法令である。
【恩赦(おんしゃ)】
裁判できまった刑罰を、特別な恩典によって許し、または軽くすること。内閣が決定し、天皇が認証する。
目次
エビデンス偽装業者とシェアハウスオーナーの逆転勝利?
スルガ銀行シェアハウス徳政令の件やが…
スッカスカの資産を偽装して不適切融資受けたオーナーたちが勝ち組で、頭金入れたりモノホンの資産を担保に正当な融資受けたオーナーたちが負け組の、理不尽展開になるんけ?
— メタルスライム(ベンツマン@株式板) (@Benzman_kabu) November 20, 2019
仮に土地建物を手放せば借金がチャラになるというと、、結果的にはシェアハウスオーナーは、保有期間分の”賃料収入はノーリスクで丸儲け”という事になってしまいます。
「精神的苦痛への慰謝料だ!」という事でチャラにされてしまうのか、その期間分の利息も含めてスルガ銀行へ譲渡すれば債務を解消・・という事にするのか。
今後起こってくる展開と懸念事項など、状況整理を兼ねてまとめてみました。
既に破産整理などしている人と不公平が生じる
今回の対応ですが、かぼちゃの馬車シェアハウスのサブリース賃料が振り込まれないという問題が明るみになってから約2年もの月日が経っています。
その間、家賃が入ってこない間も毎月何十万円もの返済を求められていたシェアハウスオーナーは自己破産をしたり、通常のワンルームアパートに切り替えるなど自身の力で再生を試みたり、最悪の場合には自殺者が出たり・・と、かなり悲惨なものでした。
それが今になって、「物件を手放したら借金はチャラ」などと言うのは、どういう事でしょうか・・。判断を下すにはあまりに遅すぎたし、そして、あまりに不平等と言わざるを得ません。
これは不動産やってる人とそうじゃない人で見方分かれそう。
借りたくて分かっててやってた人もいるだろうに、失敗した人は全て守られると。
これ株の場合でも、会社潰れたら全部補償するんかい、という話に。モラルハザード…。https://t.co/IXnXHPwRuH
— ひろすぎ (@LLt8D4o9j576FLb) November 20, 2019
エビデンス改ざん業者も無罪放免?
これで一番得するのはエビ改竄偽造業者。
なんのペナルティもなく生き延びた。やり得は許さずに法的責任を負わすべきだと思う。
逮捕して欲しい。 https://t.co/JvwN8f27fk— ショーター (@teritama19) November 20, 2019
このシェアハウスを紹介していた業者の中には、顧客の属性(エビデンス)改ざんに加担していた業者もいるという話です。
実際、自分は関わっていませんが、知り合いの業者さんには「新築シェアハウスを買いたい人を探してきてくれれば、正規仲介手数料を支払う。価格は1~2億円。属性は問わない。欲しい気持ちがあれば、ただ紹介してくれれば良い」などと、いう話が持ち掛けれられていました。
明らかにおかしな話なのですが、これに加担した業者も多くいたはず。直接エビデンスを改ざんしたのかは分かりませんが、こういった業者もおとがめなしという展開はいかがなものでしょうか。。
今後、不動産融資がさらに厳しくなる可能性も
まじか?
スルガが帳消ししたら、他の銀行も会社員の不動産投資に萎縮しちゃうわないですかね。
投資家のみならず、不動産会社や物件まで審査を厳格化することになって事実上、融資だせなくなる。
帳消しになったらヤバイって。 https://t.co/e51WYc2PPm
— モーガン@30代からの不動産投資 (@tsukubanosorani) November 20, 2019
更に良くないのは、こういったスルガ銀行が責任のすべてを負う形で終結させる事例を作ってしまうと、今後の不動産投資に対する融資条件もより厳しくなってくる可能性があります。
今後、別件で不動産経営につまづいたオーナーが「スルガ銀行のシェアハウス事件の時には返済をチャラにしてくれたけど、おたくは融資チャラにしてくれないの?」
・・といった展開が起こらないとも。さすがにこんなモンスターは現れないと思いますが、近からず遠からず。金融機関もより警戒感が高まる可能性が出てきます。
まとめ
速報ニュースなのでまだ詳細は分かりませんが、こんな訳の分からない対応で良いのでしょうか。今回の対応は、株式投資で言えば、損失を抱えても株を手放せば追証を払わなくても良いと言う話。ノーリスクハイリターン。こんな商品があれば全力ロングしたいものです。
そして疑問なのが、今回の対応発表のタイミング。株主に対して何かしら対応してますアピールをするならば決算前が普通ですが、なぜ決算発表後のこのタイミングでこんな発表をしたのでしょうか。
どういった経緯でこの決定が下ったのか。なぜこのタイミングなのか。今後の展開が注目です。