不動産

【永遠のテーマ】賃貸と持ち家。お得なのは・・持ち家です。

賃貸が得か、持ち家が得か。住宅情報誌などでも良く特集をやっていますね。みなさんこの類の話にはとても興味があるのではないかと思います。

今回は、この永遠のテーマとも言える話についてまとめていきます。

目次

一般的な「賃貸 VS 持ち家」議論の、話の流れ

比較条件は、だいたい以下のようなものです。

  • 期間:およそ30年間
  • 持ち家:一般的な条件での住宅ローン
  • 賃貸:2年ごと更新の一般的な家賃設定
  • 間取り:3LDKか4LDKのファミリー向け間取り

上記の条件で比較していくと、毎月換算ではどちらも同じような支払い額になります。

ただ「どっちもどっち」で終わらせると、後味が悪いので、

  • 持ち家は支払いが終わったら最後に家と言う資産が残る
  • 賃貸はライフスタイルに合わせて自由に暮らす場所を変えられる

このようにそれぞれのメリット・デメリットを挙げて「人それぞれ適切に考えましょう」といった感じで終わります。こんな展開の話を見たことある人は多いのではないでしょうか。

新提案:資産価値の落ちない物件なら絶対に買うべし。

さきほどの議論の結論としては、ずばり、

長期目線で見た時に良い物件であれば買うべきです。

(「当り前じゃないか」という反論が聞こえて来そうですが、最後まで見てやっていただけると幸いです。笑)

不動産は何を買うかによって、最終的な価値に大きな差が出ます。

価値が落ちない or 落ちづらいものを選んで買うことができるのであれば、絶対に買った方が良いです。

日本の住宅価格は今後30年間で46%下落!?

シンガポール国立大学の清水千弘教授らの研究によれば、日本の住宅価格平均は10年から40年までの30年間で46%下落するといいます。

つまり、10年の時点で土地・建物を含め2,000万円で売られていた住宅は、40年にはなんと1,080万円になってしまうというわけです。

ただ、これはあくまで全国平均です。実際には価値が同水準で継続する不動産、上昇する一部の地域があるものの、そのほかは、年数%の勢いで下落し続ける地域、さらにはもっと急に下落する地域と、不動産市場は「三極化」するとみられます。

これは日本だけはなく、韓国や中国やタイなど同様の傾向が見られるようです。

ただフィリピンなどは国連の統計推計によると、2080年くらいまでは人口が維持・増加傾向で、この先も平均の不動産価格上昇が続くみたいです。

少子高齢化で人口減少すると、不動産価値は下落する。

結局、中長期目線で不動産価値を決定するのは人口動態と言えます。

その人口動態が前提として、何が一番要素として大きいかと言うと、やはり人口減少と少子化・高齢化です。

これらが進行してくると、若い人の社会保障費の費用負担が増えます。

少ない子供たちで、より増加していく老人の生活を支えなくちゃいけないということですね。こういった経済的な圧迫があると、実質的な所得が減ります。

・・実質的な所得が減ると、家を買う資金力と言うものはどんどん減衰していきますね。他にも様々な要素があるものの、やはりこれが一番影響が大きい様です。

価値が落ちる前提で持ち家を買うという選択肢を考えると・・

2,000万円の物件が1,100万円になってしまうとして、それでも買った方が得なのかどうか。・・これは判断が難しいところです。

ところが実際には、この「30年間で46%価値が下落する」というのはあくまでも全国平均で、実際には不動産市場は今後、エリアによって価値の推移は分岐していきます。

  • 価値が落ちない、あるいは落ちづらい:約15%
  • だらだら下げる、あるいは一気に下げていく:約70%

7割方の下げ方については、落ち率の違いで、年率2%ずつ落ちるのか、あるいは4%ずつ落ちるのかといった違いです。

だいたい年率4%下落を(売却を考え出すくらいの)15年間続けると・・元値の54%程度。つまり、おおよそ半値程度まで落ちます。そのままの推移でもう15年間ほど持ち続けると、元値の約30%程度の価値にまで下がっていきます。

そして建物自体の価値についても、新築の時に一番価値が高く、時間が経つにつれて価値はどんどん落ちます。てついでに下落著しいエリアについては、地価も落ちると。

例えば・・

4,000万円で土地付き建物、あるいはマンションを買ったとします。

これが30年後に、仮に3,500万、あるいはそれ以上で売れるというのであれば、これはもう絶対に勝った方が良いです。

上記の例は、つまり、30年間そこに暮らしても家賃が500万円で済んだのと意味合いは似ています(金利もありますが・・)。それこそこういう場合には、賃貸と比較して、結果として家賃をドブに捨てるようなものであるということになります。おそらく累計の家賃も3,500万円に近い金額となっているはずですので・・。

逆に、不動産価値が落ち続けるものを買ってしまうと、結果として住宅ローンをドブに捨てるようなものになってしまいます。

つまり住宅ローン金利分、無駄に銀行を儲けさせているだけとなります。いわば、不動産価格の下落していくスピードと、住宅ローン残高を返済することによる目減りスピードの競争をしてるようなものですね。

不動産価値の下落率の高い物件を買うリスクについて

仮に、年率で2~3%ずつ不動産価値が落ち続ける様な不動産を購入してしまった場合、、しばらく家計は債務超過となります。

例えば、新築物件を住宅ローンを組んで買ったことを想定します。

不動産は買った時に一番高いので、中古住宅マーケットに行くといきなり建物の価値は2割くらい一気に落ちます。

土地2,000万円、建物2,000万円の住宅だとすると、建物の価値が2割落ちるとすれば、だいたい一瞬で価値が3,600~3,650万円くらいになってしまいます。

ということは、頭金を1割か、それ以上出していない人たちは、いきなり家計が債務超過に陥ります。いくら低金利だと言っても、建物の価値の下落率も大きく、地価が落ちるエリアであればそれも債務超過の原因となってきます。

返済の途中段階で売ろうとしても、住宅ローンの残債の方が上回っている状態なので、家を売った売却金額だけではローンの残債を払いきれません。持ち出し金額は300~500万円。人によってはもっと払わなくちゃいけないかもしれません。

払わないと処分できない・・そういう事態が生じてしまいます。つまり、価値の落ちない・落ちづらい住宅を買うという事がとても大事といえます。

リバースモーゲージという人生設計!・・リバースモーゲージとは?

価値が落ちない住宅を買うと、もう一つ良いことがあります。

仮に30代ぐらいから40代ぐらいで家を買うとします。30年ローンを組んだとすると、住宅ローンの支払いが終わるのが60代から70歳辺りになります。

当時4,000万円で買った住宅が、30年後に1,000万円になっちゃってる人と、一方で3,500~4,000万円の価値がキープできる人・・。

この両者でこの先生まれてくる決定的な差があり、その正体は何かというとリバースモーゲージという制度です。

リバースモーゲージとは何かというと、簡単に言うと、自宅を担保にしてお金を借りられる制度の事です。この制度の特徴は一生返さなくて良い点です。

歳をとり年金暮らしになっても年金がもらえるかどうかもわからない世の中ですが、「もっと豊かな生活したい」あるいは「年金だけじゃ足りない」「手持ち資金だけじゃ不安だ」という時に、家を担保にしてお金を数千万円単位で借りられる制度、それがリバースモーゲージです。

死ぬまで返さなくて良くて、返すタイミングは自分が死んだ後になります。その自宅を抵当に入れた金融機関が処分(売却)することによって資金を賄うといった仕組みになっています。

なので子孫に不動産を残すことはできないですが、自分の資産を一生のうちに使い切りたい人にとってはもってこいな制度です。

最終的に1,000万円ほどの価値しか残っていない家を持っている人は、この中でしかお金を借り入れができないですが、4,000万円近い価値の家を持つ人はこの資産価値の中でお金を借りることができます。

この制度は30年以上前からありますが、金融機関が本腰を入れて取り組んできていなかったので、これまでなかなか浸透して来ませんでした。

一律で建物の価値が年数を追うごとに落ちるといった評価を下すのではなく、建物の状態・品質が良いもの、つまり価値が落ちない・落ちづらいものについては評価していこうという、こういう動きが国の方針として出てきています。

今日明日ですぐにそうなるということではありませんが、おそらく5年後・10年後にはおそらく上記のような状況が整ってくると思われます。

まとめ:価値の落ちないような不動産を持ち家として買いましょう。

結論から言うと、不動産価値が中長期的に見て、価値の落ちないものを買うことができると、それは貯金をしていることと一緒という事になります。こういった資産価値の落ちづらいものを買うことが出来れば大いにアリな買い物となります。

その上、現在のこの超低金利な住宅ローン条件は恐らく、この先もうないのではないかと思われます。

「持ち家という一国一城の主」みたいな価値観は昔からありますが、それは別にしても、基本的には不動産は投資用であれ持ち家であれうまく買うことが出来れば資産になります。

長期的にそこで暮らしていくことを考えた場合であれ、資産価値が落ちないような不動産を選んでいくことということが、いかに大事かということを理解していただければと思います。

ABOUT ME
matsud0
1988年11月生まれ。保険会社システムエンジニア→収益不動産会社の営業。奥渋谷、六本木をメインに活動中。収益不動産情報をメルマガで配信中しています。