東京都江戸川区が公開したハザードマップが話題となりました。
「ここにいてはダメです」 江戸川区の水害ハザードマップが“正直すぎ”て注目を集める 「まさかどっか行けって言われるとは」|BIGLOBEニュース https://t.co/DlGxYkqASS pic.twitter.com/5Bd7QFFopH
— BIGLOBEニュース (@shunkannews) 2019年5月24日
「ここにいてはダメです」…表紙から飛ばしていますね。ネタなのかと思いきや、大雨が起きた時のシミュレーションや実際に起きた時の避難経路なども詳しく書いており、なかなか現実的かつ分かり易いので、パンフレットに沿ってまとめてみました。
※因みに江戸川区のハザードマップはこちらからpdf版がダウンロードできます。江戸川区に物件を保有している方、江戸川区で物件の購入を検討している方、江戸川区に暮らしている方、良ければ参考にしてみてください。
目次
江戸川区はどんなところ?
江戸川区は東京の東側、城東地区と言うところに位置します。代表的な駅で言うと、東京メトロ東西線の「葛西駅」「西葛西駅」、JR中央・総武線の「小岩駅」「平井駅」、JR京葉線「葛西臨海公園駅」などがあります。
荒川や江戸川などに囲まれた上に、最下流に位置しています。全域を河川に囲まれた上に、下流で合流し、東京湾へと接続しているような地形です。改めて航空地図で見るとなかなかに水災に弱そうですね・・。
関東地方に降った雨の大半が集まります
江戸川・荒川よりも上流、利根川や綾瀬川や中川などを伝って栃木県や群馬県などの山脈に降った雨も集まってきているようです。もうこれだけでも結構住みたくなくなってきます。自ら公開しているのは、江戸川区さすがです。リスクヘッジをしっかりしています。
江戸川区の大半が海抜ゼロメートル地帯です。
江戸川区の約7割が海抜ゼロメートル地帯だそうです。ゼロメートル地帯とは言いますが、実際は0mどころではありません。すり鉢のような地形をした江戸川区には、満潮面より海抜が3.5mも低い所もあるようです。江戸川・荒川の最下流に位置するので、上流部で堤防が決壊して水が流れ込んでくる可能性も高いとのことです。
過去にも多くの水害被害があります。
過去には高潮や洪水、台風などで多くの被害が出ている様です。
写真にもあるカスリーン台風では、死者は1,077名、行方不明者は853名,負傷者は1,547名、被災者は150万人以上いたそうです。
建物被害でも、流出全壊家屋が約2.4万棟、浸水が約3.8万棟,耕地流失埋没が1.3万haなど、被害総額は約70億円。今とは防災技術水準が違うにしても、かなりの規模ですね。
巨大台風や大雨で江戸川区の大半が水没します。
江戸川区だけでなく、墨田区、江東区、足立区、葛飾区のほとんどの地域は水没するようです。しかも水没したら水が引くまでに1~2週間、長ければそれ以上かかるところもある様です。海抜よりも低いエリアなので、まず堤防を再構築して、それから中の水を取り除くわけなので、順調にいっても確かにそれくらい・・いや、それ以上はかかりそうですね。
深いところでは10m近く水没するようです。江戸川区役所ももれなく海抜ゼロメートル地帯に位置するようです。CGによるシミュレーションのインパクトが強い。
災害が起きそうなときは、区外へ避難しましょう。
江戸川区に架かる橋は全部で10箇所 ※小松川橋と新小松橋は実質1つとカウント
参考:江戸川区に架かる橋
江戸川区と浦安市とをつなぐ方面から逃げてもあまり非難にならない気がするので、実際のところ集中が予想されるのは、
- 千葉県市川市とを結ぶ市川橋、江戸川大橋
- 墨田区とを結ぶ平井大橋、小松川橋、荒川大橋、船堀橋
ただ、車でこれらの橋から一挙に避難しようとすると渋滞は避けられません。
まだ電車での避難の方が良いのではないかと思われます。ただ、こういった災害が迫っている中なので、電車自体が運休してしまったりダイヤが乱れるなどの可能性が高いです。前もって早めの避難を心がけるようにするべきかと思われます。
まとめ
総じて分かり易く、江戸川区など江東5区の水災への脆弱さが分かる良いハザードマップだなと思いました。これくらい危機感を煽るハザードマップの方が、日ごろから災害意識を持つことが出来て、いざという時に素早く行動できる人が増えてそうです。
因みに江戸川区は投資用不動産に対して比較的積極的な融資をすることで知られるスルガ銀行でさえも23区の中で唯一融資対象外のエリアです。水災の発生リスクが高いことが直接的な原因かはわかりませんが、多少なりとも影響はしていそうですね。
他の区もこういった災害などへの危機意識を良い意味で煽るようなマップを作成してくれると良いなと思いました。参考になれば幸いです。