不動産

スルガ銀行が元本一部カットを提案しています。

MATSUD0です。渋谷で収益不動産屋で働いています。

5月15日、スルガ銀行が「シェアハウス向け融資およびその他投資用不動産融資に関する元本一部カットについて」というタイトルのお知らせが入りました。

内容としては、スルガ銀行にて不正融資を受けて不正に買った不動産について、ローンの返済が難しい状況になっているオーナーに対して、適用金利の引き下げ・元本一部カットといった救済措置をとるという事です。

昨年世間を騒がせた女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」(通称「かぼちゃ」)の件を受け、かぼちゃの被害者らが裁判をおこし、最終的な和解案としての今回の一部元本カットに踏み切ったようです。かぼちゃ以外にも不正が横行していたようで、不正融資が認められる案件についてはかぼちゃ問わず元本カットの対象になる様です。

目次

金利引き下げ、元本一部カットなど救済措置の基準

上記の通り、元本カットや金利引き下げなどの救済を受けるためにはいくつか条件を満たす必要がある様です。

  1. 取得した不動産の取得価格と積算価格とに差額があるか。
  2. ローン返済が困難な状況であるか。
  3. ローン契約時にスルガ銀行による不正があったか。
  4. スルガ銀行による不正行為と、買主の投資判断との間に因果関係が認められるか。
  5. 金利の引き下げをすれば、物件収支の赤字が解消するか。
  6. ローン契約締結時の不正行為に関する「スルガ銀行の関与度合」等の諸事情を考慮する。
  7. スルガ銀行が負うべき「解決金支払債務」の額を算定する。
  8. 元本をカットする。

①~④までの条件に当てはまれば金利の引き下げを、金利の引き下げで不動産運営状況が改善されないようであれば元本をカットするといった対応になる様です。

債務不履行に陥られるよりも、不正融資被害者が団結して裁判になって問題が長期化するよりも、融資条件を緩和してでも事態が収まれば…といったところなんでしょうか。


平均金利は2%を割っている模様です。30年融資でこの金利で、なおかつ元本までカットされるとなれば…シェアハウスオーナー大勝利!?

元本カット検討対応の必要書類

元本カットキャンペーンへの申込に必要な書類は、こちらよりダウンロードできます。

物件のランニングコスト明細やレントロールといったキャッシュフローを確認するための資料、本人確認資料などと併せて、契約時の書類といったものが必要になる様ですね。

「売買契約書が複数ある場合には」というフレーズが気になりますね笑。金額をずらした二重契約をしていた場合には全部資料を出してくださいという事です。

例えば、本当の不動産販売価格が1億円の物件を購入する時。金融機関向きに1.2億円の契約書を一部、実際に使う1億円の契約書を一部、合計二部作成して販売金額以上に融資を引き出す手法です。

覚書は、二重契約をしなかったときの手法の事かと思われます。1.2億円の売買契約書をもとに融資打診&契約を結び、後に金額を引き下げる手段です。

どちらも似たような内容で、スルガ銀行からフルローン・オーバーローンを引く為の手法かと思われます。

まとめ

不正融資に対して大胆な対応策を出してきました。もし仮にこの施策がすべての返済に困っているオーナーに適用されるようになれば、不動産業界全体の負のスパイラルに一矢報いてくれる…かも知れません。

例えば、地方の積算評価が高い一棟マンションなど、スルガ銀行でしか融資が下りなかった物件は、今回の救済措置で売却出口が見つかるかもしれないですね。

ただ、不正融資を選別する過程の「『スルガ銀行の関与度合』等の諸事情を考慮する。」という因果関係をどう見るのか。救済措置が実際問題どの程度反映されてくるのか、行く末を見守りたいと思います。

ABOUT ME
matsud0
1988年11月生まれ。保険会社システムエンジニア→収益不動産会社の営業。奥渋谷、六本木をメインに活動中。収益不動産情報をメルマガで配信中しています。