きらぼし銀行の担当者に、最近の収益不動産投資の融資状況についてヒアリングし他ものをまとめてみました。
※2019年6月に担当者とヒアリングした内容も追記しました。
目次
きらぼし銀行とは
2018年5月に
第二地銀で旧・八千代信用金庫だった「八千代銀行」、
地方銀行の「東京都民銀行」、
東京都出資の信託銀行「新銀行東京」の行3が経営統合して、
「きらぼし銀行」が誕生しました。

八千代銀行を存続行としているため、不動産投資の融資内容は、
旧八千代銀行の体制をベースとした融資内容となっているようです。
融資の評価基準
2018年8月現在、メインは収益還元法で見るようです。
【収益還元法】
不動産鑑定評価において、対象不動産が将来生み出すであろうと期待される収益をベースとして対象不動産の価格を求める手法のこと。この収益還元法による試算価格を「収益価格」という。
ただし、評価の出し方が厳しく・・
満室からの空室損を2割(つまり8割の入居率)とみなし、
金利3.6%のストレスをかけて評価を出すようです。
一応のところ、上記の負荷をかけてなお収益性が見込まれる物件であれば、融資テーブルに乗る可能性があります。
築年数が比較的古くなく、なおかつ現況でそれなりに収益が出ている不動産であれば打診してみても良いかもしれません。
※取引実績が無くとも、投資経験が豊富だったり、ある程度の資産背景のある属性で、なおかつ営業エリア範囲内の物件であれば耐用年数切れでも融資を出してくれるケースもあるようです。 by 板橋某支店
きらぼし銀行の融資内容(2018年7月現在)
金利
およそ1%代前半~2%中盤程度です。
借入者と物件との総合評価で見るプロパーローン形式をとっていますが、1%台後半~2%前半程度の金利で収まるケースが多いです。
融資期間
物件の構造やエリア、借入者の属性等によって異なりますが、
おおよその目安で以下のような融資年数になります。
木造、軽量鉄骨造:20年-経過年数
重量鉄骨造、鉄筋コンクリート造:30年-経過年数
年数についてはかなり厳しめのようです。
基本的には構造関係なく一律20年で見るようですが、
築年数がかなり浅かったり、劣化対策等級2級以上など、優遇するに値するものがあれば5年程度融資期間を延ばせるという事です。
【劣化対策等級とは】
住宅を長持ちさせるための対策の程度を示す等級のことをいいます。等級は下記の3つに分かれています。
・等級1:建築基準法が定める対策が講じられている
・等級2:築年数50~60年くらいまで長持ちするように対策が講じられている
・等級3:築年数75~90年くらいまで長持ちするように対策が講じられている
ちなみにプロパーローンや、初めての融資では
30年を超える期間融資はまず無いそうです。
スルガショックなどの影響もあるのかもしれません。
フルローン可否
フルローンは原則不可と考えて良いかと思われます。
前述「融資の評価基準」にも記載した様な、高負荷のストレスをかけたキャッシュフローシミュレーションで物件がまわる
or
融資を受けずとも物件を購入することができるだけの資産背景がある
etc…
融資付けを行う上で、何かしら盤石な裏付けが出来れば
(フルローンの)可能性はあるかも・・?という感じです。
一般的には自己資金を1~1.5割投入してもらうケースが多い様です。
融資エリア
対象の物件が支店のあるエリアにあることが条件になる様です。
主なエリアは東京都内(おもに城西・城南エリア)、神奈川県になります。
最後に
旧八千代銀行、旧東京都民銀行など、源流によって融資内容に違いがあるのかを尋ねてみました。
ベースが八千代銀行となる為、八千代銀行の融資条件は先に書いた通りですが、
旧東京都民銀行としては、上記内容に加え、ランニングコストに修繕積立も加味して考えるケースもあったりするそうです。
具体的な算出方法は教えてもらえませんでしたが、築年が経過した物件であればこの割合が多く必要となる様です。
定期預金を組んでいたり、既に旧八千代銀行等から不動産融資を受けている等、
以前からのつながりがある場合にはこの限りでは無い様なので、
以前から取り組みがある方や、投資経験がある程度あり、そこそこの資産背景がある方は持ち込むのもアリです。
逆に、きらぼし銀行で取り組みは初めてだったり、投資経験が浅め、資金少なめといった場合には、しばらく市況の流れを見てからの方が良いかもしれません。