不動産

【借金は悪?】「良い借金」と「悪い借金」について

不動産投資の借金は、個人が借り入れする額としてはとても大きいです。

数百万円で済むなら少額な方で、不動産による借金を負っているメイン層は数千万円レベルの借金をしています。1億円以上借りている人なんかも、不動産投資の世界では割とよくいます。

借金なんか普段しない、したくない人にとっては、正気の沙汰とは思えないでしょう・・。

しかし不動産投資には、普通の借金とは大きく異なる、不動産投資特有の借金に対する事情があるからなのです。

この事情を考えると、時に1億借りていても90%、場合によっては100%借金ではないことになるのです。その事情、考え方がわかれば、億超えの借金ももしかすると怖くなくなるかもしれません。

目次

「借金=悪いこと」という先入観を普通のサラリーマンは持っている。

話の本質を理解出来ていないにも関わらず、借金という言葉に過剰反応して、「危ないことをやっている人だ」と考えてしまっている人は非常に多いです。

現代人の多くは、「借金=悪いこと」という教育を、子供の時から受けてきました。

「借金」と言うと、サラ金・ヤミ金などから取り立てが来ることのイメージが強く、普通に暮らしていれば借金なんてする必要はないということを、小さいころから植えつけられているのです。

日本人の国民性として、「多額の借入は怖い」「お金儲けのことばかり考えるのはよくない」という風潮がありますが、手元に現金をしっかり残すということは、あらゆるリスクヘッジになります。

どうしても「借入=借金」というネガティブなイメージがありますが、それは間違った思い込みです。

なぜ、金融機関は不動産に多額の融資をするのか

そもそもなぜ不動産投資では、いち個人に対して億超えの融資をするのでしょうか。返せなくなるとは思わないのでしょうか。

この答えは簡単で、不動産自体に資産価値があるため、金融機関はいち個人に対しても巨額の融資を実行します。これがいわゆる「積算」と呼ばれるものです。

積算評価が1億円の物件なら、(金融機関によって差は出ますが)その約70%の7千万円まで融資をしたりします。

極端な話、銀行は、個人に対して融資をしているのは無く、物件の担保評価に価値を見出して融資をしているとも言えるです。

不動産自体が担保である

金融機関は他の融資に対しても、不動産の担保を求めることがよくあります。万が一の時は担保になっている不動産を処分して穴埋めすれば良いと考える訳です。

つまり、不動産投資の場合は、購入しようと思っている不動産自体に担保価値があるため、その単体で担保も成り立ってしまう。だから不動産投資は動産投資ではありえないような巨額の融資がしかも長期間の返済計画で個人にもできてしまう、と考えることができるのです。

担保割れの不動産

ただし、積算以下の不動産というのは、今の不動産の高騰の前からほとんどありませんでした。今はもっとありません。つまり多くの場合は担保割れをしています。

この場合どうするのか?というと、自己資金を入れたり、他の不動産を担保に入れたりして補います。しかし収益力で評価してくれる場合は、物件価値より借金の額が大きくなってしまう状態に陥ります。

このことを「信用の毀損」という言い方をすることがあります。

こうなると他の金融機関での借り入れが難しくなります。これは耐用年数以上の返済年数で融資を受けた場合でもいえます。

積算で不動産を購入できた場合

積算で不動産を購入することが出来れば、例えばフルローンで借り入れしたとしても、実際の借金は反対売買の諸経費などのロス程度、1割未満と考えることができます。

例えば、1億円の物件をフルローン(満額融資)で購入するとします。

通常1億円の物件を買うのに1千万円(物件価格の1割)の自己資金が必要です。

つまり、積算で不動産を購入していれば、最悪、積算価格では売れると考えた時、売却時の諸経費程度が実際の借金だったということになります。

物件価格:1億円
融資金額:1億円
自己資金:1千万円(購入時諸経費)
売却価格:1億円

→売却手数料が実質のマイナス

流通(実勢売買)価格で買えば実質借金は10%以下

積算ではなくとも流通価格で購入すれば、同じ理屈で実質借金は10%以下と考えることが出来ます。

銀行が積算で考えるのは、あくまで最低価格で売却した時の想定だからです。
不動産とはまさにその名の通り不動の資産ということです。

特に土地は毎年徐々に下がったとしても、通常、いきなり下落したりはしません。だから減価償却も土地に対してはかからない訳です。

借金が借金でないのは不動産投資ならでは。

この理屈は通常の資産では成り立ちません。不動産だから成り立ちます。

不動産だから金融機関はいち個人に億単位で貸してくれます。なぜなら競売で処分してもほとんど取り戻せると思っているからです。だから、単体では決して利回りが高くない投資である不動産がサラリーマンに人気があります。

その源泉資金は銀行が貸してくれるから、つまりはレバレッジが効くからであり、実質の借金部分が少ないからです。

買った瞬間に資産が上がることもあります。

この理屈を詰めていくと、積算より安く買えば借金していても無借金であることになります。それどころか、もし極端に安く買えたり、買った後に資産価値を上げたりすれば、買った瞬間に資産が増えることさえあります(これは株式投資などとも同じ)。

残債が減るともっと資産価値が増えます。

こうなると金融機関から見ると信用の毀損とは全く逆で、資産価値の中の借金の割合が非常に小さい、優良でもっと融資したい相手になります。

まとめ

終身雇用制度の崩壊や、年金2000万円問題など、今までのお金の考え方では安心した老後が送れないと言われている現代です。本業だけの収入で老後を迎えることが、本当にリスクの低い選択といえるでしょうか。

目先のリスクを恐れるあまり、誤った判断をしないよう、早いうちから投資家マインドや正しいマネーリテラシーを身につけ、借金を味方にして将来の不安に備えておくことが大切です。

ABOUT ME
matsud0
1988年11月生まれ。保険会社システムエンジニア→収益不動産会社の営業。奥渋谷、六本木をメインに活動中。収益不動産情報をメルマガで配信中しています。