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不動産投資とは何か
「『不動産投資』という言葉は知っているが、どんな意味かわからない。どう実践していいかわからない」という方は多いかと思います。
ここでは、不動産投資初心者が持つ疑問に対し、Q&A形式でお答えします。
Q.「不動産に投資する」とは?
簡単に言えば「大家さん」になることです。
読者の中には「賃貸物件(借りた部屋)」に住んでいる方もいると思います。
すると、毎月の家賃を支払いますね。そのお金はどこにいくのか?
そうです。「大家さん」です。
大家さんは、自分が持っている不動産を人に貸して、家賃収入を得ています。これを戦略的に行うことを「不動産投資」と言います。自分で住むためのマイホームを買う人は多くいますが、「人に貸すための不動産」をあえて買う人もいるのです。
具体的には、一棟アパートやマンションなどを購入して家賃収入を得たり、購入した物件の価値が上がったときに売却し、その差額で利益(売却益)を得たりすることです。
エリアで言えば、地方よりも将来性のある東京に資金が集中する傾向があります。
また、売却益よりも家賃収入(運用利益)を期待して投資する不動産投資が主流となっています。
不動産の種類は、一棟アパート、一棟マンション、区分マンション、戸建てなど様々で、
駐車場、倉庫、太陽光発電、コインロッカー、コインランドリー、民泊なども同様のビジネスモデルです。
Q.不動産を買うほどの貯金がありません・・
不動産は銀行からお金を借りて、不動産を買うことができます。
「マイホーム」の場合、銀行からお金を借りて(住宅ローンを組んで)不動産を買うケースが多いと思います。同様に、「収益物件」でもローンを組むことができます。
「株をやりたい」「FXをしたい」といっても、銀行はお金を貸してはくれませんが、不動産投資は違います。その点では有利かもしれません。
一方、数十万円で買えるほどの安い不動産の場合、ローンを組まずとも、現金で買っている人もいます。
Q.どんな人が収益物件を買っていますか?お金持ちの方ですか?
不動産投資をやっているのは、お金持ちだけではありません。
少額の不動産の場合は現金で、多額の不動産の場合はローンを組むことができるため、
年収●千万、貯金●千万といったお金持ちでなくても取り組むことができます。
昔は「大家さん」というと、「もともと不動産を持っていた」「親から不動産を引き継いだ(相続)」というように、お金持ちの家に生まれなければ取り組めない印象でした。
しかし最近では、「年金が期待できない。将来どうしたら……」「会社の給料が下がった。自分の仕事がなくなるかもしれない」
という雇用不安・年金不安から不動産投資を始めるケースが増えていて、サラリーマン、OL、主婦など幅広い層の方が将来を見据えて取り組んでいます。
お金持ちだけが取り組む時代は終わったのです。
Q.不動産投資で得られる利益にはどんな種類がありますか?
不動産投資は、キャピタルゲイン(売却益)とインカムゲイン(運用益)の2種類の利益があります。
①不動産投資で言うところの「インカムゲイン」とは、不動産から得られる家賃収入・テナント収入のことです。得られる利益は少額ですが、賃借人が付けば安定して収入を得ることが出来ます。
②キャピタルゲインは、保有資産を売買することで得られる売買差益のことです。キャピタル(captital)を直訳すると、資本、資金、元金となります。
不動産投資では、購入時の値段より高く売却することで得られる利益のことです。
大きな金額の利益を得られますが、投資元本自体が減ってしまうため損失が出るリスクもあります。
Q.不動産投資のメリットは?
安定した資産運用ができる
不動産投資は、比較的安定した資産運用ができる点がメリットとして挙げられます。入居者がいれば毎月安定して賃貸収入が得られ、株式のように為替などの外的要因により価格変動を気にする必要があまりないです。
管理会社と契約すれば、賃貸契約から家賃の集金、修繕、退去手続き、入居者募集など、賃貸経営に関することを委託することができます。
帳簿を作成して確定申告する必要はありますが、自分で作成できない場合は税理士に依頼することも可能です。
本業があっても始めやすく、副業として安定収入を確保することもできるため、所有する不動産を増やしていけば、不動産投資のみで生活所得を得ることも出来ます。
相続対策になる
不動産投資には、相続対策になるというメリットもあります。
不動産は相続税の計算における評価額が、現金や有価証券よりも減額されるからです。
相続税は以下の計算で金額がわかります。
相続税額=(課税資産額-基礎控除額)×相続税率
相続税の課税対象となる資産には、現金・有価証券・土地・建物などの不動産が含まれます。
現金や有価証券は時価で資産評価されるのに対し、不動産は固定資産台帳や路線価などをもとに評価されます。そのため、資産を現金や有価証券で保有するよりも、不動産として保有するほうが相続税評価額が減額されるため、相続税を節税できる可能性が高くなります。
Q.不動産投資のデメリットは?
初期投資にかかる金額が高い
不動産投資は他の投資に比べて初期費用が高く、融資を受ける場合でも最初に数万円程度の資金が必要になることが多いです。※金融機関や個人属性により変動します。
株式や投資信託なら少額から始められますが、不動産投資の場合はまとまった資金が用意できないと始められません。そのため、不動産投資は他の投資に比べると、少額から始められないデメリットがあります。
維持管理コストがかかる
不動産投資では、保有する不動産の管理費や修繕積立金などが常にコストとしてかかります。
また、不動産を保有している間は毎年、固定資産税・都市計画税がかかり、管理会社に支払う業務委託費も必要です。融資を受けている場合は借入金の返済もしなくてはなりません。
このように、不動産投資はさまざまな維持管理コストがかかります。
資産価値が下がっていく
不動産投資のために購入したマンションやアパートは、時間の経過とともに老朽化し、資産価値が下がっていきます。
株式や投資信託であれば、どれだけ時間が経過しても老朽化することはなく、投資対象の企業価値が値上がりすれば、それに伴って証券の価値が上がる可能性もあります。
不動産は基本的に、築年数が古くなるほど資産価値は下がる傾向にあります。そのため、売却したくても買い手が見つからない、売却できてもかなり安い価格でしか売れずに、損失を出す可能性があります。
少子化・人口減少などが問題となってきている昨今では、より物件選びは慎重に行っていきたいところです。
まとめ
不動産投資にはさまざまな種類があり、少額から始められるものもあれば、まとまった資金が必要なものもあります。
また、不動産投資は毎月賃貸収入が得られるのがメリットですが、空室リスクや災害リスクがあり、無理な借金を抱えると返済が困難になる可能性もあります。
不動産投資の基本的な知識を身につけ、種類やメリット、デメリットを正しく理解したうえで始めるようにしましょう。