「不動産投資で一番大切なのは立地」とはよく言わるところで、同じグレードの建物であっても、立地によって投資効率は大きく変わってきます。
都心と地方では特徴が異なるため、それぞれの違いを踏まえた上で投資の判断を行うことが重要になってきます。
今回は、都心物件と地方物件のメリットとデメリットについて徹底比較します。
目次
項目ごとの都心・地方物件の優劣
都心と地方、それぞれ一般的にどちらの方が良しとされているか。
稼働率の高さ | 都心物件 |
---|---|
賃料の価格水準 | 都心物件 |
価値の落ちづらさ | 都心物件 |
不動産の価格 | 都心物件 |
利回りの高さ | 地方物件 |
金融機関の種類 | 都心物件 |
ひいき無しで上記のようになります。都心物件の大勝です。
ただ、やはり多くの不動産投資家も都心物件を狙っているので、需要>供給となり、利回りは低くなりがちです。
都心物件は稼働率が高い
都心の物件は稼働率が高いです。
賃貸経営は、人口密度の高いエリアで行うのが基本ですが、都心部は当然ながら人口が多いので、地方と比較すると稼働率は高くなります。
都心部では不動産価格が高過ぎるため「買えないから借りる」という根本的なニーズがあります。最近はより一層「持ち家よりも賃貸」派が増えてきているため、このニーズは増加傾向にあります。
一方で、地方では不動産価格が安いため「買った方が安いから買う」という層が都心と比較して多くなります。
地方では土地も余っていることが多いので、相対的ににアパートやマンションの不動産価格が安く、借りるより買った方が割安となる状況も多くなります。
上記理由に加えて人口が少なく、借りる人の少ない地方では、空室も埋まりにくく、空室リスクは高くなります。
入居率を上げるために、募集賃料を下げる、広告費を上げる、または設備工場の為のリフォームを行うなど、様々な経済的負担を伴います。
空室率の増加は単純に収入を低くするだけでなく出費が増えるため、賃貸経営を難しくする原因となります。
人口の多い都心物件は稼働率が高い事に加えて、空室リスクが低いという大きなメリットがあるのです。
都心物件は賃料の価格水準が高い。

賃料の価格水準は、都心物件の方が高くなります。
都心は賃貸需要が高いため、必然的に家賃収入も高くなっていきます。
同じ広さの区分所有でも、都心物件なら月12万円取れても、地方物件だと月8万円しか取れないなど、賃料はエリアによって差が生まれます。
総額の賃料の大小は、管理費用や、固定資産税、修繕積立金、原状回復を行う際の費用負担などに大きな影響を及ぼします。
例えば、入居者の退去時にオーナーが行う原状回復費用(クロス貼替等)の費用が6万円かかるとします。
修繕費用はエリアごとに多少の人件費が変動することはありますが、平米単価が相場で決まっているので、基本的に全国どこでも金額は同じです。
つまり、部屋が空くたびに原状回復に6万円かかるとなると、家賃10万円の部屋であればすぐに回収できますが、家賃5万円の部屋だと負担率が大きくなるため実行しにくくなります。
一棟アパート・マンションも同様に、大規模修繕も地方物件の方が収益に対するランニングコストがかさむ可能性が大きいです。
すると、総額賃料の低い地方物件は、物件のメンテナンス頻度が徐々に落ちていき、都心部に比べ、物件の老朽化が加速しやすくなります。
物件の維持修繕については、賃料総額の高い物件の方が行いやすいため、賃料総額が高い都心物件にはメリットがあるのです。
都心部は賃料や不動産価値の下落リスクが小さい。
都心物件の方が賃料が落ちにくいです。
現在、地方は人口減少と少子高齢化に伴い、賃貸需要が徐々に減少しています。借りる人が減れば、部屋が埋まらなくなるため、家賃は下げざるを得ません。
賃料の下落は、空室を埋めるために募集賃料を下げることから始まります。
次に、募集賃料が下がると、入居者から「家賃を下げて欲しい」と要望も出てくるかもしれません。近年は、インターネットで簡単に募集賃料を見ることができるため、募集賃料を下げることで既存の入居者へも影響が波及する可能性があります。
空室率の高い物件で賃借人からの賃料減額要求が来れば、オーナーとしてはある程度の要求を飲まざるを得ないのが実情。賃料は一度下げだすと、新規入居者も既存入居者も下がっていく傾向があります。
空室が増えにくい都心物件は、賃料も下がりにくいというメリットがあります。
都心部の方が不動産の価格は高い

これはメリットにもデメリットにもなるのですが・・物件価格は都心の方が価値が高いです。逆を言えば、物件価格は地方物件の方が安いです。
地方物件の価格が安い理由は、前述の通り賃料も土地価格も安いことにあります。建築費に関しては原状回復費用と同様、全国どこの地域でもほとんど同じなので、土地価格の安い地方物件は、物件価格が安くなります。
よって地方物件は価格が安く、幅広い層で購入しやすいというメリットがあります。
地方物件は利回りが高い
地方物件の方が利回りは高い物件が多いです。
前述の通り地方物件は売買価格が安いので、それに連動して利回りが高くなります。
なぜ売買価格が安くなるかと言うと、地方物件は少子化・過疎化などの影響を受けやすいので、資産価値の下落スピードが都心と比較しても早い為です。オーナーとしても早めに売却したいと考える方も多く、結果として売買価格の安い物件が多く出ます。
地方物件と東京圏などの都心物件であれば、地方物件の所有の方が空室リスクは高く見通しの怪しい投資となります。投資家としてはリスクの高い物件は、逆に高い利回りで購入しておかないと危険ということになります。
地方物件は投資家が当然に高い利回りを要求するものであることから、利回りも高くないと売れません。そのため、地方物件は必然的に利回りが高くなっています。
地方物件の利回りの高さはメリットでもありますが、同時にある程度リスクも伴うという事も考えた上で購入・運用したいところです。
まとめ
都心物件と地方物件の違い・・・と銘打ったようなタイトルですが、基本的には都心物件を購入していった方が良いです。競合が多く、良い物件が出てきた時の競争倍率は高く、スピードや自己資金力が求められますが、その分のパフォーマンスは発揮してくれるはずです。
コツコツと物件探しや金融機関開拓などを継続して好立地な物件を狙っていきましょう。